●2006年1月
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あはは、相変わらず正月のバラエティはくだらないねぇ。 | |
ふぁ、おはようつきひ姉…っと、あけましておめでとう。 | |
ん、おめでと。かれんもコタツ入んなさい。 朝から生放送でダラダラしっぱなしのバラエティでも観なさい。 |
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そんなのに正月の情緒を感じられるほど私 諦観を決め込んでないよ…。あ、年賀状は? |
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ん、まだ。この辺は配達が後半だから。 でもそろそろじゃないかな? |
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む、じゃまだお父さんとお母さんからのエアメールお年玉も…。 | |
焦らない焦らない。毎年送ってくれてるんだから、今年に 限って無いなんてコトは…。 |
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■ | ぴんぽーん、年賀状でーす。 |
ほらきた。 | |
……?いちいちインタホンで呼んでくれたっけ? まあいいや。はーい。…っと、こよみ姉おはよ。 |
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……ん〜、おはよめでとう。玄関は寒いわよぅ。 それに比べて居間は温かくていいわね。 |
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お姉ちゃん、めでと。 | |
あ、つきひもおめでとう。今年もヨロシクだわね。 ……って、なんでココにいるの。 |
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なぜと申されても。 | |
だって、例年通りなら…。 | |
きゃあぁぁっ!? | |
!?かれん?なに!? | |
む、無理矢理押し入ってきて…! | |
バタンッ! | |
つきひさん!! | |
なんだ、陽鳥ちゃんじゃないの。今年もヨロシクね。 | |
あ、お義姉様。よろしくお願いいたします。 ……じゃなくて、つきひさん! |
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…………。 | |
コタツにもぐっても麗しいお下げが外に残ってます! うゎ、なんだか萌え じゃなくて! なんでココにいるんですか! |
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う〜、何でこよみ姉と同じ事言うかなぁ…。 自分の家にいちゃ悪いかよぅ。 |
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陽鳥さん、おめでとー。 って、そういえばそうじゃない。つきひ姉、なんで? |
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かれんまで…。なにが疑問なのさ。 | |
この私の格好を見ても分からないなんていいますか!? | |
どっからどう見ても巫女装束。しかもこの際どいアレンジは いちとせちゃん制作のオリジナルブランドね。 |
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ここんとこ毎年やってたじゃない。去年は私も手伝ったし… 今年はやらないの? |
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いちとせさんの神社の巫女バイト! 何でいらっしゃらないんですか!? |
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寒いし。 | |
それだけ!?それだけの理由で私との年の初めの 蜜月を放棄しようとおっしゃるのですか! |
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むしろ陽鳥ちゃんのその態度が理由じゃないかしら。 | |
う〜、だって、たまにはのんびりした正月を過ごしたいじゃん。 いちとせにはちゃんと断ったし、あんたに文句を言われる 筋合いじゃないわけですよ。 |
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そうかも知れないけど!ひと言くらい言っておいて貰えれば、 私だってバイト断って一緒に姫始めを過ごせた筈なのに! |
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むしろ陽鳥さんのその態度が理由じゃないかな。 | |
いいから、その手に持った年賀状の束を渡しなさい。 ていうか、なんで郵便屋さん装うかなぁ。 |
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だって、万一つきひさんが玄関に出たら、私だと 開けてくれないと思ったから。 |
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…なんて娘。 | |
郵便受けから持ってきてくれてありがと。 さ、頂戴。 |
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………この年賀状の束、封筒が混ざってますけど。 | |
あ、それはね、海外の両親が送ってくれたお年玉なんですよー。 | |
そういうこと。最重要事項だから、怪我しないウチにさっさと こっちに渡しなさい。 |
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………にや。 | |
…!? | |
イヤです。 | |
!!な、なんだって!貴様! | |
コレを渡して欲しければ、今すぐいちとせさんの神社に バイトに来てください!ソコで待ってます!さらばっ!! |
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ちょ、ちょっと待ちなさい陽鳥ちゃん!わたしとかれんの分くらい 置いて行っ……ちゃった…。 |
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カートゥーンみたいな土煙上げて、もう見えないよ…。 | |
まったく、あいつ何考えて… | |
つきひ!バイト行きなさい! | |
折れさせるの早過ぎ! なんであいつの思うつぼにはまらなきゃいけないの! |
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行ってつきひ姉!私たちの幸せを取り戻して! | |
お、そのセリフは正義のヒーローみたいで燃えるな。 でもイヤ。意地。 |
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えー、でもつきひ姉だってお年玉なくなっちゃうんだよ?いいの? | |
いくらなんでも、陽鳥だってやることに限度があるでしょう。 そんな窃盗紛いなコト…。 |
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……本当に、やらないと、断言出来る? | |
……断言は、できない。 | |
おーねーがーい!行って! 仕事するフリして返して貰ったら逃げて来ればいいから! |
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ダメ!行った時点で帰れない罠が仕掛けられてるに 決まってるんだから!あいつの恐ろしさを知らないの!? |
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恐ろしいから、つきひに押しつけてるんじゃない。 一番平和的な方法だと思うし。 |
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平和なのは貴様等だけだ! | |
えーん、どうしたら…。 | |
■ | ぴんぽーん、郵便でーす。 |
………?? | |
ひどりにゃん、仕事してよぅ。こんな境内の裏手で。 | |
いえ、今はダメです。つきひさんが来るのを待っていないと。 | |
にゃにそれ…つきひにゅんは今年はお休みげしゅって。 待ってても来ないげしゅよぅ。 |
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いえ、コレさえあればつきひさんは、きっと来ます。 | |
コレって…。ハァ、了解にゅる。 こうなった陽鳥しゃんには何言っても無駄無駄無駄。 |
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分かって頂けて何よりです。 | |
クビ。 | |
キャア! | |
……あ、あれは。 | |
……どうやら、来てくれたみたいですね。 | |
陽鳥…。 | |
さ、念願のお年玉はここですよ。取りにいらしてください。 | |
…その、地面に横たわってる環状になったロープは、なに。 | |
気のせいです。 | |
…その、棒で斜めに支えて中にゲームソフトを置いた 大きめの籠は、なに。 |
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気のせいです。 | |
その後ろ手に持ったスタンガンはなに。 | |
気のせいです。 | |
ちょっと最後のはやりすぎだと思うにゃあ、げしゅ的に。 | |
いいですから、ココまで来てくださればお返ししますから。 この際ムリにバイトしろとはいいませんし…。 |
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や。 | |
キャア! | |
封筒はいいから、年賀状だけ返して。 ソレを言いに来たの。 |
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…いらないんですか?封筒。本当に? | |
いい。あんたの思惑に乗せられるくらいなら、あげる。 | |
………そんなに、……ですか…。 | |
あ、紙束落としちゃった…。 | |
ん、いちとせ、ありがとう拾ってくれて。 | |
はい、正月早々大変みたいげしゅのう。 いいげしゅか陽鳥たん?封筒も渡しちゃうのよ? |
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……ぐす。 | |
はぁ…あのさ、よくよく考えれば分かることなんだけど…。 あんたが逃げ去った後、今度は本物の郵便屋さんが来て。 |
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………? | |
現金書留、置いていった。 | |
は? | |
そりゃそうだわね。現金の入った封筒を、無責任に 郵便受けに放り込んで行っちゃう配達員なんていないって。 |
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あ、あの、じゃ、これは…? | |
「新春大売り出し」。「年の初めの半額セール」。…その他諸々。 | |
………はにゃ…。 | |
愉快で間抜けなお話で。でも、わざわざ年賀状だけ取り戻しに くるにゃんて。封筒の違いに気付けば、さすがに陽鳥きょんも 諦めて返しに行ったんじゃないかと思うのだが。 |
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………だって、早く見たいじゃない。 あんた達の年賀状も、入ってるんでしょう? |
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……!! | |
バイトはしないからね、のんびり過ごすんだから。 じゃ、帰るね。 ……あ、それと。 |
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…はい? | |
まだ言ってなかったよね。 …あけましておめでとう。今年も、…ね。 |
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は、はい!おめでとうごじゃります! | |
ん、じゃね。 | |
はう…もう、つきひさんったら…。そんなトコロが…ぽ。 | |
あ、そういえば陽鳥じょん。 | |
はぁい?なんでしょう? | |
うわ、瞬間でご機嫌麗しゅう。 あにょさ、陽鳥どんの年賀状、ウチには来てないんげしゅげど。 とおかぼんも貰ってないって。 |
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……え、あれ…。忘……あれ、あ、あーっ! | |
にゅ? | |
出してません!今年の年賀状! 出すのすっかり忘れてました!ああぁーっ! |
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……じゃ、さっき返した年賀状に、陽鳥にんのは 含まれていないワケげすね。……台無し? |
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うわー、うわーん! い、今すぐ書いて持っていきますから、嫌わないでください つきひさーん!! |
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……仕事して…。 |
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