●2006年2月
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おいしいねー、みそかちゃん、はい、あーん。 | |
うん…とっても、とっても美味しい…! (かれんちゃんのチョコを私が、私のチョコをかれんちゃんが…ああ…) |
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…泣いてるの?みそかちゃん。…もしかして、美味しくなかった? | |
いいえ!いいえ!美味しすぎて涙が!みそかは今幸せです!! | |
〜2月13日 聖戦開始前日 | |
…っと、これで良し。明日学校へ行くのが楽しみー。 | |
おぅ、かれん、今年もチョコレートの絨毯爆撃か。 ひとつくらい姉におくれよ。 |
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ダメです。今年は厳選して少数精鋭で望むんだから。 ほら、紙袋3つに収まる程度。 |
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…平均値からは大きく逸脱していると思うけど。 | |
あ、コレは、ランドセルの上に。 | |
…なに、それ。ソレだけ包装が違うの?意中の中の意中の人? | |
違うよー。特別は特別だけど。 ていうかさ、今年もつきひ姉はチョコあげないの? |
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んー、今年はなんか仲間内で集まって交換会やるって。 しょうがないから買ってきたよ、チロルきなこもち味。 |
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ショボ過ぎるよ!貰った人が可哀想だよ! | |
どうせなんか罠はって、陽鳥がかっさらうに決まってるんだから。 | |
あ、そうだね。いいよね、きなこもち美味しいし。 | |
…なにげに、かれんも陽鳥の扱いがぞんざいになってきてるな。 | |
個人的にはさ、こよみ姉関連がどうなってるか気になるんだけど。 | |
あ、そうね。今年こそ命の危険が危ないかもね。 | |
…少しは手を貸そうという気はないの…?あんたたち…。 | |
お、話題の人の登場ですか。てか何、その重装備は。 ヘルメットから胸当てから肘膝サポータから、釘バットまで…。 |
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だって!相手はあのとつきよ!?どこからどうやって誰がいつ 何をどっちに襲ってくるか分からないじゃない!! |
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無理に5W1H使い切らなくて良いから。 | |
ていうかさ、こよみ姉、そんなのヴァレンタインに限らず いつものことじゃない。今さら用心しても遅いって。 |
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それもそうね♪ | |
諦念の境地! | |
今日のかれんは言うことが違うわね〜。そうね、その通り。 もういいわ、疲れちゃった。二人とも、お休み、あはは…。 |
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…今日の姉も十分違っていると思う。 | |
イヴェント前って浮き足だってつい、おしゃべりも、ね♪ | |
少なくともお姉ちゃんは浮き足立ってないと思う。 | |
…っと、これで明日の授業の準備も完成。 私も寝るから、ほら、つきひ姉も出てって。 |
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え〜、夜はこれからじゃないさー。日付も変わってないよー。 | |
ひとりで起きていて下さい。おやすみ。ぱちん。 | |
わ!暗い!電気消さないで!怖い怖い!(がつん)あ痛…っ。 | |
くぅ…くぅ…。 | |
……転送完了、おじゃましまぁ…す。 あら、かれん嬢の部屋だったか。誤差の範囲かな、まあ。 |
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すー、すー。 | |
…さすが先輩の妹だけあって、可愛い顔してるわよね…。 ………………………………………。 |
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ぷー、ぷー。 | |
…はっ!み、見とれてしまった!? わ、私ともあろうモノが、そんな、私には先輩が…!! と、起こさない程度の小声でひとり喚いている場合じゃないわね。 |
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…むにゃ。 | |
とっとと先輩の部屋へ行って任務を遂行…あら、この紙袋群。 全部チョコレート?なかなかやるわねこの娘。 となると、ランドセルに乗ったこの小箱が、本命かしら? |
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…ん…あれ、とつきさん…。おはようございます。 | |
おはよ、かれんちゃん。起こしちゃってゴメンね、独り言多くて。 | |
…全然狼狽えないんですね。 | |
それはお互い様でしょう。貴方も明日頑張るみたいね。 健康を祈ってるわ。GOOD HEALTH! |
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…なんでそんなの祈られてるんだろう…。 | |
じゃあね、明日上手くいくように貴方のチョコレートにおまじないを してあげる。まずね、月夜の晩の丑三つ時にヤモリと薔薇と蝋燭を…。 |
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…あの、眠いんで、そんなの焼いて潰して粉にしてスプーン一杯 舐めている余裕はないんです…パサつくし、粉なんて舐めたら。 |
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…眠いと結構ズケズケモノを言う子ね。いいわ、貴方は寝て 明日に備えなさい。私が簡単なおまじないをかけておいてあげる。 |
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すっげえ不安ですけど、ありが…むにゃ。 | |
口の減らない子ね…可愛い顔してなけりゃ、今頃…。 ………………………………………………。 |
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くー、くー。 | |
…は、また見とれてた!?お、落ち着けとつき! ともかく、はい、チンチンプイプイ…。これで良し、と。本命君、ご愁傷様。 |
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……ありがとぉ…。 | |
!?……ね、寝言よね。 うわぁ…いま胸の奥がきゅんって音を立てた気が…いかんいかん! さて、本命のこよみ先輩のお部屋にー。 |
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〜2月14日 聖戦当日 | |
……なに、この変死体。 | |
ああ、それはね…。 | |
…………なに、そのお姉の体のイカ臭さ。 | |
用心のため部屋にイカの塩辛結界を張って寝てたのよ、昨夜は。 見事に用を為したってワケね。ちょうど今日は生ゴミの日だっけ? |
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後輩を捨てるのは勝手だけど、とりあえず風呂入れ。 | |
おはよー…あ、とつきさん。じゃ昨日のは夢じゃなかったんだ。 | |
なに?かれん、コレと逢ったの? | |
ん、逢ったようなそうじゃないような、夢だと思ってたんだけど。 おかげで何を話したか覚えてないんだけどね。 |
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姉のイカ結界がとつき氏の邪念をかれんに向けて跳ね返してしまったのだ。 哀れ、幼きかれんは呪詛を一身に浴びて心の奥まで汚され…。 |
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そんな内容じゃなかったと思うけどなぁ。 | |
にゃ!覚えてないんでしょうが! | |
なんかさ、雰囲気みたいのは印象に残るじゃない。もっと平和だった気が。 | |
ありえるのかしら。そんな牧歌的な状況、とつきで。 | |
あ、私そろそろ行くね。みんなが来る前に机にチョコ放り込まなきゃ。 | |
もう郵便配達の心境だな。 | |
じゃ、いってきまーす。朝ご飯は適当に作ってネー。 | |
…あ、朝ご飯、当番アイツじゃん…。 | |
ヴァレンタインの乙女心は、真面目なかれんにすら契約を破らせる…。 | |
…これ、食う? | |
死ぬか不死になるか、二択だと思うわよ。 | |
クラスの男子全員に配ったのに、特に反応無し…。 うー、何か言ってくれてもいいのにー。 |
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あ、か、かかかかれんちゃん。い、一緒に帰りましょう…? | |
あ、みそかちゃん。うん、帰ろっか。…はぁ、やるせないよ。 みそかちゃんは誰かにあげたの? |
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あ、いえ、その。チョコじゃないけど男子全員に "反応を返すな"と脅迫文を…。 |
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あー、そうそう。まだみそかちゃんにあげてなかったよね。 | |
は、はい!?あ、あの!?…もしかして、私からあげなくても くれる用意があった…の? |
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何言ってるの。みそかちゃんにあげないで他の誰かに あげるわけないじゃない。はい、ちょっと特別製なんだよ。 |
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え、えーっ!?て、手作りなの!?私なんか田作りなのに!? | |
…お願い、チョコを頂戴。 | |
冗談だけど。でも、手作りじゃないの。コレ…外国産で味も分からないけど…。 | |
あ、じゃあ、お互いのチョコレート一緒に開けて、品評会しようか? いろいろ食べられた方がお得でしょ? |
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あ、はい!かれんちゃんと何かできるなら何でも!子作りでも! | |
…それは、田作りの仲間?おせち? | |
…聞き流して。迸っただけだから…。 | |
じゃさ、私のコレから。味の保障がないのが何ですけど… どうぞ、ご賞味あれ。 |
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は、はい!いただきます!あ、あー……ん。 | |
おいしいねー、みそかちゃん、はい、あーん。 | |
うん…とっても、とっても美味しい…! (かれんちゃんのチョコを私が、私のチョコをかれんちゃんが…ああ…) |
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…泣いてるの?みそかちゃん。…もしかして、美味しくなかった? | |
いいえ!いいえ!美味しすぎて涙が!みそかは今幸せです!! | |
……はぁ、なんで目が覚めたらゴミ収集車の中で細切れに 破砕されてたのかしら…復活に半日使っちゃった…。お、あれは。 |
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あ、とつきさん!とつきさん! | |
上手く行ったみたいねー。幸せそうな顔じゃない。 | |
わ、私のチョコレートを食べたら急に倒れちゃったんです!! そんな変なモノ入れてないし!き、昨日の夜何かしませんでしたか!? |
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ちょろっと、夢を見る呪文を。 いま、この子は貴方の夢を見て幸せ満載の筈よ。 …もっとも、もう起きないけど。 |
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ちょ、わー!!みそか、みそかちゃんー!? お願い、起こしてー!! |
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きなこ、おいしいげしゅねー。もぐもぐ。 | |
…何故。 | |
…何故。 |
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