●2007年2月
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おにはぁ!卒倒! | |
いってぇ!痛えよなにすんだよ! | |
豆まき。 | |
あらあら、楽しそう。 何ですかコレ、大砲? |
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ガトリング。 | |
イラストだとちゃちな銀玉鉄砲じゃないか! 描く必要がないからって大仰なモノ持ち出して! |
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てか、なんであるの。 | |
てか、教室で撃たないでください。 | |
てか、人に向けないでください。 | |
てか、今日は2月13日です。 | |
…旧正月ならぬ、旧節分? | |
10日間で旧暦は回ってこない。 | |
うん、実はきなこチョコでも作ろうと思って、 材料として持って来たんげしゅる。 |
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うおぅ、もっともらしい理由を! | |
銃器の理由にはなっていないがな。 | |
はいはい、無駄口はココまで。目的を思い出して。 今日我々が放課後集まったのは他でもない、 明日のヴァレンタインに向けたチョコレート作りのためです。 |
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…女同士で交換会開いてもな…。 | |
??なにか不都合が? | |
まったく意図しないことを言われたような不思議そうな表情をするな。 | |
そしてココに、調理実習室の鍵を 入手してきたげしゅたんが立っている。 |
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よく許可貰えたよなぁ。 | |
げしゅにしてみれば難しくないスニーキングミッションだったげしゅ。 | |
泥棒かよ。 | |
ちゃんと私が先生に許可を貰ってるから、大丈夫です。 こう言う時、品行方正な委員長は信用されてて都合がよいです。 |
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…表向きだけだけどな。 | |
あぁん! | |
罵られてよがってるよコノヒト!? | |
チョコ作るなんて理由でよく貸してくれたね、先生。 | |
各人、ひとつずつ余計にチョコレートを作っておくように。 | |
…取引かよ。 | |
海腹川背だっけ? | |
それは魚の捌き方だ。海魚は腹から、川魚は背から。 | |
おっけ、おっけ。 | |
本当に捌いてるの!? | |
チョコレートフォンデュって食べたことある人挙手げしゅー。 | |
手軽に出来そうなところが信憑性を帯びていて恐ろしいよ!? | |
…なんだかんだで、いちとせととおかはいいコンビだよな。 | |
ええ、ええ。 | |
…果てしなく不本意。 | |
にゃぁーん、いけづぅ、ウチらもフラグ立てようよ、とおかにゃん。 | |
やめてやめて!ぼかぁノンケなの! | |
…私もだよ…? | |
え?ノン毛? | |
生えてるよ! | |
あぁ、良かった、剃る楽しみが残っていて…。 | |
禿しく同意。 | |
同意するな。あとノン毛と禿をひっかけるな。 | |
…いいコンビだよなぁ…。 | |
で、チョコを直火で溶かそうとしたら焦げたげしゅけど、このあとは? | |
人の話を聞いてたんですかあなた!?湯せん、湯せん! | |
何か、大豆が湯せんしてあるけど。 | |
豆は茹でろ! | |
きなこじゃなかったのか。 | |
もうー、誰かしゃんのせいでちっともチョコ作りが捗らない。 | |
…つっこむと、またぞろ進行が滞りそうなので放っておくぞ。 | |
ていうかさ、せっかく広い調理室を借り切ってるわけだし、 それぞれ別々の調理台で作らない? |
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…この暴れん坊を、ひとりでほったらかしておけ、と? | |
ま、まぁ、作業の質問くらいは離れてても答えられるでしょう。 だって、お互いのチョコが見えたらつまらないじゃない。 |
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…その口ぶり、よほど自分のチョコに自信を持っているとみた。 | |
な!?そうなんですかとおかさん!? | |
とおか嬢はこう見えても小器用に料理くらいこましますからなぁ。 | |
こますじゃなくてこなす。いや、まぁ、上手なワケじゃないけど せっかくアイディアを思いついたし、と思って…。 |
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受けて立ちましょうその勝負! 私も特別料理が得意なわけじゃないですが! |
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いっとくけど、私のチョコは普通だからなー。 | |
上に同じくー。 | |
つきひさんには、ちぇー。いちとせさんには、うそつけ! | |
左ヒラメにカツカレー、でしたっけ? | |
カレイはフライ美味しいよね。 | |
掛け違えて会話が成り立っている!?さすが名コンビ…! | |
…おふたりは、そっちの隣り合ってる調理台でどうぞ。 | |
はい、今日は待ちに待ったヴァレンタイン、 つきひさんのお部屋でチョコレートの試食会です! |
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…あのさ、なんでいちとせいないの? | |
欠席です。 | |
…あのさ、なんでいちとせ欠席なの? | |
……今日、契約通りチョコを渡した先生が、救急車で運ばれて行きました…。 | |
………。 | |
さて、じゃあ一番つまんなそうな私のチョコから食べてくれ! | |
そ、そうだね!始めようか!頂きます! | |
わぁ、なんかいきなりメインディッシュですか!タッパタッパ…。 | |
持ち帰るほどの量はないぞ。 | |
……ん、チョコなんだけど……凄く苦い…。 | |
99%くらいカカオ入ってませんか、これ…? | |
とりあえずとにかく濃くしてみました。 つきひチョコ、徹ゲー仕様。合わせてコーヒーをブラックでどうぞ。 |
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……寝かせずに、どうするつもり? | |
ゲーム。 | |
…じゃあ、次は私のを…。 | |
お、陽鳥のは一口サイズにしては大きめだね。 | |
食感も演出の内に。 | |
食感?じゃあ中に何か入れ込んであるブフォッ!!? | |
甘!甘すぎる!何このあふれ出すゲル状の液体は!? | |
私のつきひさんに対する愛情を甘みで表現してみました♪ 10倍濃縮のガムシロップをふんだんに使用 |
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するなぁ! | |
あ、でもコレ、さっきのつきひのチョコと一緒に口に入れると美味しい。 | |
ほらぁ!やっぱり私とつきひさんはチョコでも良いカップルなんですよ! | |
…偶然じゃないか、出来すぎているにしても、偶然…! | |
さて、では出させて頂きますか、わたくしの自信作。 | |
お、来ますか!?私のチョコに勝つおつもりですか!? | |
…うん、まぁ、普通のチョコなら勝てるよね。 | |
はい♪ | |
………弁当箱? | |
ブリキの大きい弁当箱?…開けますよ? | |
どうぞ♪ | |
ぬおぅ!こ、これは!? | |
……どうみても、カレーですよね。 | |
焦げ茶色が地味な色目を与えている以外は、紛うかたなきカレーだ。 | |
昨日のいちとせとの会話にヒントを得ました♪ | |
……とおかさんの表情を見るに、食べてから判断しろと言うことですね…! | |
ネタ系じゃないってコトか…。 | |
思いっきりお米にフツーにかけてるように見えるんだけど…。 ままよ!ぱくっ! |
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ぱくっ! | |
ね、どう? | |
ショウヘイヘーイ!ちょっと待つげしゅ!!うぇいとあもーめんと! | |
わぁ、なに!いちとせ突然窓から! | |
つきひ嬢!ひどり嬢!ソレを食べてはなりませぬ! 他のチョコが食えなくなります!恐怖症になって! |
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ちょ、どういう意味それ!? | |
なにしろ、普通の料理は普通なのに、とおかったら 甘味に関しては超味音痴なのげしゅから! |
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…………。 | |
…………。 | |
あっちゃー!狙いどおいやいや遅かったか! | |
えー、なんでよ、こんなに美味しいのにパクパク。 | |
ご丁寧に具までしっかり入れちゃって…カレーならどれほど美味しいか…。 ほら、二人とも私のチョコを食べて元気になるげしゅ。 |
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……ん!? | |
ウマ!?なにこのチョコ!? | |
ゴディバでもこんなチョコありつけませんよ!?食べたことないけど!? | |
自慢じゃないけど、げしゅたんチョコ作りには自信があるなり。 境内でカカオを自家栽培しているくらい。 |
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あのビニルハウスっぽいの、ビニルハウスだったのか!? | |
……てことは、先生を病院送りにしたチョコの送り主って…。 | |
……。 | |
……。 | |
…ん?なんでコッチ見つめてるの? 食べたくなった?まだあるから、はい♪ |
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…とおかさん、アイディアをいちとせさんの会話から貰ったって言いましたよね。 | |
うん。 | |
ヒラメとカレイの会話って、いちとせさんの自信たっぷり宣言の 前でしたっけ、あとでしたっけ…? |
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……忘れたよ、そんな数十行前の話は…。 |
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