●2007年9月
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…やい、陽鳥。 | |
はい、なんですか?つきひさん。 | |
べちっ。 | |
あっつい!い、いきなりデコピンなんてっ! ……つきひさんなら、もっと激しいことしてくれても良いのに…。 |
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冗談につきあうつもりはないよ。本気で怒ってるんだから。 なんださっきのホームルームは。 |
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はい? | |
人のこと名指しで | |
つきひたーん!副委員長おめでとにゃーん! | |
おー、めでとー。 | |
貴様等!貴様等もだ! 陽鳥が私のこと推薦したと思ったら、喜んで賛同しやがって! |
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え、そんなこと怒ってるんですか?なんで? | |
なんでじゃないよ!私がそう言うしちめんどくさい仕事 大の苦手なの、知ってるでしょや! |
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知らんかった。 | |
RPGのレヴェル上げとか延々と黙々とやりつづけてるから、 てっきり僕はそう言う仕事に向いているのかと。 |
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友を見る目がないな君たちは!自分のためなら何でもするけど 人のために割く労力は一滴たりともないの、アタシは! |
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大声でのたまうことじゃ。 | |
そう、それです! | |
は? | |
かねてから思ってたんです。つきひさんにはクラスへの協調性が足りないと。 根暗なゲーオタだとクラスのみんなには誤解されてますよ! |
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そ、そうなの? | |
あ、ちょっと動揺した。 | |
そんな風評を払拭すべく!そして学校への貢献を重ねることで みんなとふれ合い有意義で楽しい生活を発見してくれることを願って! |
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…そこまで考えてくれてたのか…。 | |
本音は? | |
一時でも長くつきひさんと一緒にいたい。 | |
べちっ。 | |
痛い痛い!無言でデコピンはやめてください! | |
まーでも、陽鳥の言うことにも一理あるかもよ。 後期だけだし、一度肩書きを持ってみたら? |
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イヤです。 | |
この期に及んで即答かよ! | |
人になんて言われようとあたしは自分のしたいようにやるの。 不特定多数に何と言われようと構いやしません。 |
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おぉ、あるいはちょっとかっくいい。 | |
そんなぁ、一緒に放課後のプリント作りでしっぽり濡れましょうよぉ。 | |
どうやってプリントで濡れるんだ。 | |
ま、つきひの気持ちも分かるしボクも強要はしないけど、提案としてね。 今まで学校行事にも非協力的だったでしょ?たまにはどうかな、とか。 |
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自由参加の行事には全く出たことなかった記憶。 | |
良いじゃない、強制行事は一応ちゃんと出てるんですから。文句ないでしょ。 じゃ、あたしゃ帰るから。 |
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と、投票は来週のホームルームですから、考えておいて下さいね! | |
考えることなんかないよ。じゃね。 | |
あにゅ!つきひん! | |
…何、まだ何か?授業終わったんだから帰るのは自由でしょ。 | |
今日、掃除当番。強制労働。 | |
〜〜〜〜〜……。 | |
良いじゃない、たまにはやれば。副なんだし。何事も経験よ? | |
ごめんですよーだ。こう見えても忙しい毎日なの。 今夜もレヴェル上げに精を出すのです。 |
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もう…そんなことばっかり言って。 私も一期だけ委員会やったけど、中学生の頃。 |
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……中学時代、あったのか。 | |
殺すわよ? で、なんだかんだでやっぱり思い出になってるしね。 |
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……ふーん、どんな思い出? | |
出逢い、そして別れ…。 | |
一期も持たなかったのか。 | |
殺すわよ? でも、苦労した結果みんなに喜んでもらえるのはやっぱり嬉しいものよー。 |
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駆け出しの同人作家みたいなセリフだな…。 良いんです、あたしは極力苦労せず平坦な道を往くって決めてるんです。 |
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強がり混じりに意地になってるとき、セリフが敬語調になるクセがあるの知ってる? | |
!!??? | |
なんてね、冗談よ。どうしたの、顔が赤いわよ? | |
…………………。 | |
おいっすー。ごはん準備完了だよー。テーブル片付けて、お皿運んでー。 | |
はいはい、今日は何かしらね。かれんの料理は何でも美味しいけどねー。 | |
……さっきから、カレー臭がイヤって程漂いまくってたけどな。 | |
はーい、カレイの唐揚げでーす。 | |
何だと!? | |
ほらほらー、つきひ姉も運んでよ。冷めちゃうよ。 | |
いいから、かれん。今つきひはちょっぴり悩める乙女なのよ。 | |
うるさいな…運ぶよ。よそうよ。つまむよ。 | |
つまむな。 | |
はーい、じゃ、一通り揃ったところで、いただきまーす。 | |
ぱく…ん、美味い。 | |
ホント?えへ、良かった。 | |
な、何さ、いつも日替わりで作ってるんだから、いちいちそんなに喜ばなくても。 | |
だってー、やっぱり自分の仕事で人が喜んでくれたら、嬉しいよ。 | |
ですって、つきひちゃん? | |
………そう言うモノですかね、あたしには分かりません。 …あ。 |
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くす。 | |
あ、お、おはようございます、つきひさん。 | |
……投票ってコトは、他にも候補者がいるんだよね? | |
え?あ、はい、副委員長の選挙ですか?えぇ、まだ投票まで日がありますし、 ソレまでに他の候補者が出てくると思いますが…。 |
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そう。 | |
………あの、つきひさん? | |
と、とりあえず形だけは参戦してあげるわよ。どうせ落ちるだろうしね。 このまま逃げても、推薦してくれた陽鳥達の顔に泥を塗ることになるし…。 |
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え、ほ、本当ですか!私、絶対つきひさんに投票します! | |
いやいやいや、やりたくないんだから投票するなよ! あんたたちの顔を立てただけなんだから、良いわね!? |
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はい♪でも、それでも当選しちゃったら、ちゃんと働いて下さいね? | |
…うぐ。 | |
さってー、買収買収ーっと。 | |
待ちやがれ。 | |
……というわけで、厳正なる投票の結果、副委員長は…。 | |
………………。 | |
いちとせさんに、決まりました。 | |
やふー!みんなありがとー!愛してるよー! | |
…なんで、人を推薦しておきながら、立候補してるんだ貴様…。 | |
えっとー、なんて言うか、心変わりと言いますか? | |
…なんで大量の得票差で余裕の大勝利かましてるんだ! | |
いいにゃにゃいですか、やりたくなかったんでしょ、副委員長。 | |
お前に負けた事実が腹立たしい!なんでみんなもコイツに入れるんだ!? 貴様ッ、修正してやる! |
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ら、らめぇー、やめへぇー。 | |
奇妙な声を出すな! | |
……ねぇ、陽鳥…。クラス中がいちとせに投票したのって…。 | |
えぇ、人望というより、むしろ、そっちの方が面白そうだという判断じゃないかと。 | |
…ねぇ、陽鳥…。つきひって、別段クラスの鼻つまみ者なんかじゃないよね…。 むしろ、私たち含めてなんて呼ばれてるか、知ってる? |
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炎の4バカトリオ。 |
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