●2007年11月
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もっこり寒くなりましたね、先輩…。 | |
ソレを言うなら、めっきりだろう、後輩。 | |
先輩の地肌で暖めて…。はぁん、ぬくぬく…! | |
こんなに体を冷やして、大盛りかき氷でも食べたのかい、はにぃ。いんざすかい。 | |
越後♪ | |
ソレを言うなら、備後だろう、後輩。まったく仕様のないヤツだな、 ほら、もっと胸に頬をうずめて、しっかりあたたたまりたまえ、はにぃ。おんざろおど。 |
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はい…♪あぁ、しわよせ…♪ | |
…………まったく、仕様のないヤツだな…。 | |
あ、あによアンタ!勝手に居間に入ってきて、人の妄想を中断するんじゃないわよ! | |
居間にはいるのは家人の勝手でしょう…。 なに今の、秋も深まっているというのに脳が常春のような寸劇は。 |
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ど、ドコから聞いてたの!? | |
「私、今度子供が産まれるんですよ」のあたりから。 | |
今回始まる前からかよ! | |
両手にそんなパペット装着して。…こよみ&とつきパペットなんて 特注でしょう?どうしたのコレ。もしかして自分で作ったの? |
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みそかに作らせた。 | |
財閥令嬢をあごで使うなよ常春姉! | |
「ついでですからー」って快諾してくれたわよ。 | |
……自分用のも作らせたんだな…。 | |
ほらほら、ハンドパペットなのに、こんなトコロまでしっかり作り込まれて。 | |
わ、わっ!み、見せないでよそんなのっ! | |
あらあら、いい歳して恥ずかしいのかしら?うりうり。 | |
誰がきっちり巻かれて収納された小腸の様子まで見たがるモノですか。 | |
でもこれ、私の方しか作られてないのよね。 | |
……みそかちゃん、個人的にぶちまけて遊んでいたんじゃないだろうか。 てか、こよみさんの臓物が見たいのかアンタ。 |
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もち | |
答えなくて良い。 しかしお姉ちゃん、こんなにいろいろみそかちゃんにお世話になってるけど、 たまにはちゃんとお礼とかしてる? |
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頭とか撫でてあげてるわよ。 | |
それだけ!?てか"とか"って、他の部位も!? …い、いけませんそんなコトじゃ。たまにはちゃんと恩返ししなさい。 |
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えー、弟子になんでそんな気を遣わなきゃいけないのー? | |
弟子も何もないでしょう、師匠の甲斐性もないクセに。 大体師匠だって言うなら、たまには弟子の努力を労って当然でしょう。 |
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ああいえばこういう…全く、わかったわよ。どうすればいいの? | |
何言ってるの、自分で考えなさいそんなの。 | |
えー、私そんなのわかんない。人にして貰うのは得意だけど、するのは苦手ー。 | |
考える努力を含めてのお礼でしょう。 たまには使ったことのない脳の部位を働かせてみなさいな。 |
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…あ、チョウチョが見える。 | |
むぅ、ドコをとっても春だったか。 | |
あ……あの、老師…。なんでしょう、こんなトコロに呼び出して…。 も、もしかしてこの間のパペットの出来が気に入らなかったんですか!? すいませんすいません、作り直しますから…!! |
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…違うわよ。あの人形は良くできていたわ。三日三晩使い続けられたくらい。 | |
あの、何に使ったんでしょう。 | |
と、とにかく!今日は、その…。 さ、作戦会議よ!パペットなんて便利な小道具も出来たんだし、 綿密なシミュレートをしながらお互いのターゲットを絡め取る手段をつめましょう! |
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あ、はい、なるほど、だから人目に付かないこんな湾岸の廃倉庫なんかを 待ち合わせ場所に指定したんですね。SPの数、倍に増やしちゃいましたよ。 |
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エスビー…5/8チップ…?ま、まぁいいわ。それじゃ早速始めましょう。 まずは冬の寒さを利用して…。 |
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はーい。……………。 | |
………あぁもう、何やってるんだあの姉は…! | |
いるにゅよね、あーいう人に素直に伝えられないお方、萌ゆ萌ゆにゅる。 | |
と言いますか、こんな人気のないところで、どういうお礼をするつもりだったんでしょう。 | |
…あれ、つきひは? | |
エストバキア軍を撃退するのに手一杯だって。 | |
こんな世にも奇妙な見世物を見られるのに、もったいないですねー。 | |
ひ、人の姉を見世物呼ばわりするな! | |
呼んだのは自分のクセに。 | |
………ダメです、老師。この角度からではこよみさんの右肘がカウンタ気味に あごに入ってしまいます。いくら老師といえど脳を揺さぶられては…。 |
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そうか…あ、逆にその油断を利用するのはどう?私のホムンクルスを作っておいて 先輩の気がソッチに取られているスキに、私は別方向から…! |
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…老師が二人いたら、その時点で計画を最初から練り直しですよ…。 | |
そうか…じゃあこの「牝鹿電撃作戦」もお蔵入りか…。 | |
大丈夫ですよ、コレを土壌にして、次の作戦はきっと有効打ですよ! | |
そうかな……ねぇ、みそか。 | |
はい?なんですか藪からヘビに。 | |
いや、こうして作戦会議を開くときでもさ、私の作戦を一緒に練ってくれることは あっても、みそかの作戦を立てたコトって、ほとんどないんじゃない…? |
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…あ、いえいえ、私は良いんですよ、老師のお役に立てればそれで。 | |
何言ってるの、貴方は私を師匠として見てくれてるけど、ぜんぜんそんな器じゃなくて、 むしろ私たちは目的を同じくした仲間なんだから…! |
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……とつき老師? | |
おぉ、いよいよ本題に入りましたよ! | |
にゃんか、とつき姉がしおらしい…。うち、キュンキュンしちゃうぅ…! | |
あの…私も、いちおうお二人の間に入った、兄弟子の立場なんですが…。 | |
…どうしたんですか? | |
あの、実はココに呼んだのは…。えと、いろいろ考えたんだけど… 何を用意すれば貴方が一番喜ぶか、暖かい脳髄で頑張って…。 |
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……?は、はぁ…。 | |
でね?この箱に用意してたの、コレ、あげる。…ゴロリ。 | |
ん〜〜〜〜っ! | |
かれんちゃん。 | |
きゃあああぁぁぁぁあ!! | |
最低だ! | |
両手両足縛ってあるし、猿ぐつわも噛ませてるし、抵抗したりしないわよ。 さぁ、みそかちゃんの好きに弄んじゃって…。 |
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がっつん!! | |
………! | |
…みそかちゃん…! | |
あのみそかちゃんが…手をあげた…! | |
てか肘を。右肘であごを。 | |
…なんで…何でこんなコトするんですか!私のかれんちゃんに、こんなこと! | |
え、いや…だって、喜ぶと思って、…大好きなんでしょう? | |
大好きだけど…大好きだから…こんなのって、ありません! 老師は…もっと、もっと、人を好きになることを知っている人だと思ってました! さよなら! |
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あ…っ!みそか…!? | |
……あーあ、行っちゃったね。 | |
と、とおか!?あんた、いつから…? | |
「私は良いから早く逃げて」のあたりから。 | |
言ってねぇ。 | |
とつきたん…もし、自分の前に、あんな状態のこよみりゅんが唐突に 差し出されたら、どう思う? |
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喜ぶ。 | |
ありゃ。 | |
でしょうね…。 | |
何言ってるの、そんな風にこよみさんとくっついて、嬉しいの? 少なくとも…みそかちゃんはそんな風に思ってないはずだよ? |
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……!! | |
あのコはウブですから…。もっとプラトニックで純粋な関係を望んでいるんですよね。 | |
………。 | |
…とつきんは、こよみんと出会ったとき、どうだった? | |
………ごめん、ソレ、片付けといてっ!! | |
あー、走って行っちゃった。…てか飛んでたな…。 | |
…片付けろって、このかれんさんをですか…?どうしろと…。 | |
…ありゃ、あるのは土くれ。 | |
どうやら人造人間だったみたいだね。姉なりに考えたんだろうな〜…。 | |
……みそか…。 | |
…なんですか、こんな暗い裏路地に人を追いつめて。声出しますよ…? | |
…SPなら、来ないわよ。 | |
ひっ!まさか! | |
いやいや、打ちのめしてないから。彼らもプロなら、殺気があるかどうかくらい、 判断して動くでしょう…? |
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…どういうことですか…・ | |
………ごめんなさいっ。 | |
…!ちょ、老師、やめてください!こんな年下に、土下座なんて…! | |
…私も、先輩と出会ったのは、ちょうどみそかくらいの年齢で…。 だから、思いだして、やっと分かって…。だから、ごめん。 |
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……私こそ、ごめんなさい…。老師の気持ちもわきまえずに、殴ったりして…。 あのかれんちゃんみたいなのも、老師の心遣いだったのに…。 |
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…うぐ、分かった…? | |
冷静になればそれくらいは分かります。あの、だから、お互い様ってコトで…。 | |
…右手? | |
握手して、コレでおしまい、ってことで。 | |
…ん、へへ…。なんか改まって手を握るのって、照れくさいわね…。 | |
それくらいは、我慢して下さい♪ | |
……!この指、絆創膏だらけ…? | |
あ、えへへ…まだ、お裁縫って慣れなくて…。 | |
(…まさか…あのパペット…)…みそか。 | |
はい? | |
ありがとう。 | |
だからーっ!怪しいモノじゃありませんからー! | |
…み、みそかちゃまのSPは、とびきり屈強にゅるね…! | |
まさか取り押さえられるとは…。そんなに不審でした?私たち…。 |
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