●2008年2月
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鬼はー外ぉ。 | |
おにわーそとぉ。 | |
ふくわーじゅつぅ。 | |
あれ、声が、遅れて…。 | |
申し訳ないけど全然遅れてないわよ。 | |
…あの、渾身のダジャレの腰を折るみたいで悪いんだけど、 やっぱり、さすがに柿の種を投げるのはおかしくない? |
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何を言うの、かれん!小分けパックで拾うのも簡単、 しかも窒素充填でいつでも新鮮な美味しさよ! |
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拾うくらいなら始めから投げなきゃいいのに…。 | |
あんたはまた風情がないコト言うわね…。厄払いの行事 なんだから、古式に則り素直に投げなさい。 |
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柿の種をかよ。 | |
ピーナッツも入ってるから問題ないわよ。 | |
せめてピーナッツだけ投げようよ…。 | |
こうして散弾の投擲の訓練をしておけば、いずれ役に立つのよ。 例えば…。 |
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ぴんぽーん、こんにちわー。鬼でーす。 | |
食らえぇ! | |
ったい!地味に痛い!小分けパックの端っこのギザギザ部分が チクチク肌に刺さって害のない痛さ!開封に便利! |
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あら、とつきじゃない。玄関から普通に入ってくるなんて珍しい。 | |
誰だか確認もせずに投げ付けたんですかぁ…? もう、センパイの愛が痛いの…♪ |
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無差別爆撃の愛かよ。 | |
ぎく、今年のヴァレンタインはそんなことしませんよ? | |
誰もかれんに向かって言ってるわけじゃないわよ…。 今年は節分ネタで行くわけだしね。 |
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今年?ネタ? | |
あの、センパイ、私のコト呼んでくれましたよね? だからこうして駆けつけてみたんですけど。 |
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…何言ってるの、私が貴方を呼びつけるなんて、 空前絶後ありえないわよ。 |
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なにげにひっどい!だって、言いはりましたよね? お"にわー"そとぉ、って。 |
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そういうぶっちゃけたネタを臆面なく表に出すな。 | |
今日は楽屋ネタ多いなぁ…。 | |
別に良いんですけど、逢いたい時が逢いに来る時。 せっかくですし、一緒にお豆食べ食べしませんか? |
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何がせっかくよ、キノコも生えてるくせに。 | |
一緒にどうぞ、オーガニックにヘルシィですよ? | |
ねえ、つきひ姉、意味が分からないんだけど…? | |
……良いの、子供は分からなくて…。 | |
そのうち、みそかちゃんに教えてもらいなさいな。 | |
えー、みそかちゃん知ってるの?今度聞いてみよう。 | |
やめておけ、体で教わる羽目になるぞ。 | |
ねぇ、遊びましょうよせんぱぁい。 私だっていつでもヘンな事考えているわけなんですよ? |
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だめじゃん。 | |
節分くらい普通に楽しくおとなしく遊びますぅ。だから、ね? | |
いいじゃん、こよみ姉。一緒に豆をまくくらい。 | |
お、鶴の一声。かれんが言うと弱いからな、お姉ちゃんは。 | |
…ぐ、だってこいつ、豆どころか種を撒き散らすかもよ? | |
もともとまいてるの柿の種だけど? | |
そういう意味じゃなくて…あぁもう、無垢だなぁ! | |
そんなかれんちゃんが可愛いんです…! | |
…今、誰かしゃべった? | |
ご家族の許可も出たことですし、ほらほら、レッツまきまき! | |
しょうがないなぁ、もう…。 | |
その後は、私の太巻きをほおばってくださいね? | |
帰っていい? | |
…で、あの。 | |
何?なんか不服? | |
だって、何の協議もなく、私が鬼役って、酷いですセンパイ! | |
もともと”おにわー”で呼ばれてきたんじゃない。 | |
家に入ってきたんだから、私、福ですよ? | |
悪いけど、「福は内」とは一言も言ってない。 | |
ありゃ。 | |
ごめんなさい、とつきさん。こよみ姉がどうしても 「とつきと同じ側につくのは危なっかしくてイヤだ」って言うから…。 |
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もう…しょうがないわね…かれんちゃんが言うなら…。 | |
凄いな、かれんの困り顔上目遣い。 | |
つきひもやってみ、困り顔上目遣い、ほれ。 | |
……ん…。 | |
さて、始めようか、気合入れて! | |
何か言えよオイ! | |
ルールは簡単。この家の中というフィールド内で残弾が尽きるまで 逃げ切ればとつきの勝ち。当たればこちらの勝ち。 |
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勝敗必要あるの!? | |
しかも私、めらっさ不利な気がするんですけど!? | |
まぁまぁ、遊びなんだし、良いじゃない。 | |
……その、ダンボール一杯の小分けパックが気になるんですけど。 | |
ほら、そろそろ始めるよ。 | |
はぁーい。 | |
しぶしぶ…。 | |
勝った方が相手を自由に出来る権利争奪豆まき大会スタートはいパーン! | |
きゅぴーん! | |
ちょちょちょっと!つきひ何を言い出すの! | |
勝負に対価はつきものじゃん。 | |
ふはははは!!当てられるものなら当ててみたまえ! 今宵のとつきは蜜に飢えておるわ! |
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んあぁ、もう!やる気になっちゃったじゃない! へ、下手な鉄砲休むに似たり、食らえッ! |
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当たらん、当たらんぞそんな鈍球!こよみの貞操は頂いた! | |
きゃああぁっ! | |
まだなんにもされてないから…。そんなに絶望的なの? | |
あんたたちはとつきの本気を知らないからそんなことが言えるのよ! この子は本当は鬼じゃない……あ、悪魔なのよ! |
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あくまでも悪魔です。 | |
余裕だなぁ…。 | |
まぁ、しょうがないじゃん、諦めて攻撃しないと。残弾余らせて 時間切れも勿体無いじゃん?日が沈むまで間がないよ。 |
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いつの間に制限時間まで設けてるのよ!? | |
ははは、急げメロス!セリヌンティウスが待っておるぞ! | |
文学っぽいこと言って、生きるエロスのクセに。 もう、えいっえいっ! |
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ぬるいわ!玄関先の一撃の方が勢いがあったぞ! まったくこのような結末、むしろ残念だ! |
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じゃあ、本調子のときに再戦というコトで。 | |
節分は今日だけだっ! | |
ひいぃん…! | |
ぺちっ。 | |
いたっ!? | |
え? | |
!? | |
あ、わーい、当たった当たった。 | |
か、かれん…! | |
な、なんてこと…!相手はセンパイだけじゃなかったんだわ…! まったく邪気のない投球に気配をまったく悟れなかった…! |
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てか空気読めよかれんー。 | |
あんたこそ、攻撃側なんだから一球くらい投げるそぶりしろよ…。 | |
ごめんなさい、とつきさん。横槍を入れるみたいで悪かったけど、つい。 | |
いいえ、これも勝負の世界…卑怯だなんていうつもりはないわ。 それにかれんちゃんの球…ちょっと気持ちよかったわよ。 |
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もうどうしようもないなお前は。 | |
あの、それじゃ、いいですか? | |
?? | |
私から、とつきさんに、お願い。 | |
え?あ、あぁ、そういうルールだったっけ…。 | |
へへ、実はそれもあって、つい投げちゃったんだ。 | |
…かれん、可愛い顔して恐ろしい子…! | |
やれー!やってしまえー! | |
…あの…とつきさん。 これからも、姉と仲良くしてやってください。よろしくお願いします。 |
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…え? | |
…も、もちろん! | |
あは、ありがとうございます!こよみ姉が友達を家に呼んだのなんて とつきさんが初めてだから、私嬉しくて、つい。 |
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そ、そうだったんですか…!光栄です、センパイ…! | |
勝手に来たんじゃない、あなた! | |
…てか、友達少ないのな。お姉…。 | |
めでたしめでたし…かな? じゃさ、せっかくだし頂いたら?とつきさんの。 |
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…何のこと? | |
だって、太巻き、持ってきてくれてるんでしょう?こよみ姉のために。 | |
あ、あれは、そうじゃなくて、もっと別の…! | |
はぁーい!いただいてくださーい!かれんちゃんにセンパイのこと 任されちゃいましたし!ほらほら、向こうでゆっくり丸かぶりになってくださいな! |
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か、かれんん〜……!! | |
えへー、良かったね、つきひ姉? | |
…可愛い顔して、恐ろしい子…! |
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